「長時間座っている」だけでなぜ(変形性膝関節症)を引き起こすのか?

立っているわけではない、座っているだけなのになぜ?!

立っているわけではない、正座をしているわけでもない、なのになぜ座っているだけで膝痛になってしまうのでしょうか?答えは簡単、筋肉は同じ動きを続けているだけで固まってしまうからです。小さな子供を見ていればわかりますがジッとしている状態はまずありえません。ひたすら動き続けています。実は人間は健康であれば座りっぱなしではいられないのです。つまり座りっぱなしの状態は身体にとって不自然であり身体に悪いということです。もしも膝痛が慢性的にある方であれば「座りっぱなし」という不自然な状態でさらに膝が痛くなったわけです。

サルコペニアとは

サルコペニアは、1989年にRosenbergによって「加齢による筋肉量減少」を意味する用語として提唱された。サルコペニアは造語で、ギリシア語でサルコ(sarco)は「肉・筋肉」、ペニア(penia)は「減少・消失」の意[4]。当初は骨格筋肉量の減少を定義としていたが、徐々に筋力低下、機能低下も含まれるようになった。上述の定義はEuropean Working Group on Sarcopenia in Older People(以下「EWGSOP」)のものであり、身体機能障害、クオリティ・オブ・ライフ(QOL)低下、死のリスクを伴う包括的な内容も含まれる。同年のヨーロッパ静脈経腸栄養学会(以下「ESPEN」)のコンセンサス論文では筋肉量減少と筋力低下を認める状態を、the Society of Sarcopenia,Cachexia and Wasting Disorders(以下「SCWD」)では筋肉量減少と身体機能低下を認める状態をサルコペニアと定義している。以上のように、サルコペニアの定義は現状では確定されたものはない。現段階での各学会の定義をまとめると、狭義では筋肉量減少のみが、広義では筋力低下や身体機能低下が含まれたものが「サルコペニア」と呼ばれている。

だからといって「立てば」ますます膝痛は酷くなる

ここが膝痛を最も難しくさせていることですが、だからと言って座りっぱなしを避けるために歩けば膝を痛めます。八方塞りの状態です。いったい全体どうしたら良いのでしょうか?答えは当院でもお勧めする「膝に良い体操」や「膝痛解消ストレッチ」、「ベッドから脚を投げ出すストレッチ」などをたまに挟むということになります。膝に負担をかけない状態で同じ姿勢を崩すことで血流を流し、筋肉の動きをリセットして膝痛を解消します。

 

膝痛に効果的な「体操」や「ストレッチ」、「マッサージ」を頻繁に取り入れ徐々に膝痛から解放されていく

1時間に1回、2時間に1回、午前午後に1回とその方にとってストレスにならない範囲で膝痛に効くストレッチ、マッサージ、体操を取り入れて頂くことで「立ちっぱなし」、「歩きっぱなし」、「座りっぱなし」という膝にとっての負荷を避け膝痛を解消に導いていきます。

  座りっぱなしの膝への悪影響
膝関節を支える筋肉が落ちるため膝痛が悪化する
座りっぱなしによって体が硬くなり可動域が減って筋力が落ちる、結果膝痛が悪化する
体幹の筋肉が落ち、おかしな歩き方になってしまう、結果膝痛が悪化する

まとめ

座っているだけでなぜ変形性膝関節症が悪化するのか?多くの方は意味が分からないと思います。膝が痛いから安静にしている、それなのになぜさらに痛みが大きくなってしまうのか?です。変形性膝関節症を筋肉の異常と考えますと答えはシンプルです。変形性膝関節症は筋肉が異常硬直したり、癒着したり、痩せ細ったりして最終的に膝関節を歪め関節内の関節軟骨や半月板に負荷がかかってしまい痛みが発生します。この筋肉の異常は座りっぱなしでも起きてしまうのです、病院からは安静にしているように言われた、安静にするために座っていた、そしたら痛みがさらに増した、、、というスパイラルはそこから起こります。筋肉の異常が変形性膝関節症を引き起こしますから筋肉の異常を解消することに専念することで痛みも軽減していきます。

最後に

アメリカを始めとする先進国では変形性膝関節症は運動療法で治療します。先進国では筋肉に刺激を与え筋肉の状態を変えることで変形性膝関節症を改善します。今回のテーマ、長時間座っているだけでなぜ変形性膝関節症を引き起こすのか?これは明白です。変形性膝関節症は筋肉の問題で起こる症状だからです。長時間座りっぱなしというだけで筋肉は硬直し、筋力は衰えます。これは筋肉理論、先進国の運動療法理論からすれば当たり前の話です。